美術系稲作
楽しいイベントがあったので久々に。
昨年から、稲作のお手伝いをしている。
夫・会田の芸大時代からのお友達・広告代理店Jiさん&環境デザイナーMさん夫婦が、鴨川から30分ほどの場所で田んぼを借りていて、そこで休日を利用して、昔ながらの農法でお米作りをしているのだ。
元・芸大の同世代の友人が時間を見つけて手伝っている。
私と息子も、会田の家族として参加。
参加者には、アーティストとしては、夫と同期の小沢剛夫妻もいたりする。
他にもデザイナーさんとか美術講師とか。
だから美術系稲作?
田んぼ作業の前日は、Mさんのおばさんが持っている古民家にみんなでお泊まり。
この古民家が、すてきなんですわ!!
先祖より受け継いだ、古い造り酒屋を再生しているのだけど、中でも見事なのは、完璧に再現された茅葺き屋根!
これ、有形文化財にも指定されている。
屋内は、黒光りする神棚や、時代を感じさせる床の間、懐かしい渡り廊下など、
今ではなかなか見られない伝統的な内装を残しながらリフォームしている。
離れにある蔵だったらしい大きな建物も、土壁を残しつつ奇麗に修理し直して、ちょっとした遊戯室ぐらいの規模がある。
ごくたまにコンサートなどをしているらしい、広々としたギャラリーのような空間だ。
(ほんとは写真をアップしたいのだけど、個人宅なのでちょっと遠慮しときます。)
こんな建物に子連れで集まり、児童たちは大にぎわい。
少年達(今回は3人)は「男組(おとこぐみ)」と名乗り、自分らの寝る和室の入口に「男組」と書かれたダンボールの看板をたてている。
「え~、男組の部屋を通る者は男、もしくは大学の教師もしくは非常勤講師(←なんでだ?)でなくてはならないのじゃ~」
と、我が息子・寅次郎が江戸時代の関所の役人のようにアナウンスし、部屋の守りを固めていた。
(大人達に「ちょっと~、とらくん、権威主義だ、反フェミニストだ」と非難を浴びつつ・・・)
その後も男組まとめて風呂に入り、裸の付き合いでマッチョなオトコの友情を確かめ合っていた。
女組(2名)はトトロの姉妹のように寄り添って絵本などを読み、可愛らしい。
大人はというと、特にホスト役のJiさんは、仕事柄か、いつも話題を披露して場を盛り上げてくれる。
私の個人的見解なんだけど、昭和40年生まれの人って個性派で話が面白い人多くない??
Jiさん、今回も
「じぶんらのいた当時の芸大生の卒業制作、どれだけバカを競うかに賭けていた・・・」
「Google社のへんてこディスカッション法・・・
社会性のない、しかし一芸に長けた人ばかりをディスカッション担当として雇い、なんでもいいから喋らせまくる」
などなど、次々に豊富な話の引き出しを披露して、楽しい夜を過ごさせてもらった。
せっかく集まったのに、あいにくの雨になってしまった。
でも、縁側に腰掛けながら眺める、茅葺き屋根からこぼれ落ちる雨粒は、いつまでも見飽きない美しさなり。
--------2日目-------
とうとう田んぼにレッツゴー、車で向かう。
雨だけど、がんばろうということになった。
こちらの貸し田んぼは、笹谷窯さんという陶芸の窯元さんがとりしきっている。
笹谷窯は、昨年お昼のドラマの舞台にもなったらしいのだが、なんとも風流な山の中の家と窯、アトリエとカフェ。
ここに窯元の陶芸家・杉山さんご夫婦と、子供たちが住まい、犬やチャボが生活を共にしている。
普段より、陶芸教室の生徒さんや、稲作の生活を住み込みで体験する若者など、色々な人が出入りしている。
<笹谷窯↓>
http://sasayagama.com/
山間の田んぼで手作業でお米を育てる体験もスバラシいのだが、今回改めて感心したのは笹谷さんの窯。
平安時代の穴窯・猿投窯(さなげよう)を3分の一に復元した古式穴窯「笹谷窯」。
薪で焼いてるのだ。山積みの薪。
陶芸シロウトの私でも、なんだかすごそうな窯なのがわかる。
雨で田植えは過酷そうなので、子供たちは陶芸体験をやることになった。
大人一名は付き添おうということになり、私が陶芸担当に。
息子は初めての陶芸である。
わたしも思えば高校生の図工以来だよ。
夫に「さんまをまるごとのせる長細い皿を作ってこい」と生活じみた指令を受け、いざ作陶へ。
寅次郎は、「大人のテーブルに座りたい」だの
「色を混ぜてはなぜいけないんだ」「焼くときの化学変化ってどういう変化なんだ」
と質問を笹谷窯先生に浴びせかけまくりヒヤっとしたが、
「迷路を皿の上に作りたい」
とシュールなアイデアが決まったらしく、一生懸命制作し始めた。
他の子供たちも黙々と形作りに励んでいる。みんなうまい~!
わたしも児童に戻った気持ちで
「せんせー、このあとどうすればいいんですかあー」
と指導を受けつつ、さんま皿を制作。
寅次郎、「迷路皿」制作中・・・。
息子は、「皿」というよりは半立体の現代的レリーフといった風情。
皿の上に「A・I・D・A」というかたちの迷路が刻まれていたり、突起物があったり。
現代アートですわ、こりゃ・・・。
岡田、「さんま皿」制作中・・・。
醤油を溜める溝を作ったら、先生に、
「ねえねえ、焼き魚に醤油の溝、必要?それは”さんま皿”にあらず。”さしみ皿”だ!」
と、的確なご指摘を受け、「刺身皿」となる・・・。
「ギョーザ皿」でもいいかもしれない・・・。
造形が終わり、色をのせ始めたら、楽しくて止まらない・・・。
ヘラヘラと笑いながら描いていたら、他の子供たちに「もう色のせはそのぐらいにしておいたら・・・」と、たしなめられる・・・。
「岡田皿」完成・・・。
カ、カオス・・・?
最初はコジャレたかんじを目指したが、結局は“岡田流”になってしまったような・・・。
息子と私の皿が、あの古式穴窯で焼かれると思うと、ゾクゾクするっす!
いままで陶芸に興味ないなんて(実は)思っててゴメンなさい。
とっても楽しかったです。またやりたいな。
制作終了後、
「息子が授業中ごちゃごちゃ言ってすみません」
と先生に詫びをいれたら
「いや~、彼、発想が面白いよ!斬新だよ!子供は、あれぐらいじゃないとイカンよ!」
と褒めて頂く。
とっても豪快な杉山センセ、いいキャラしてるのです。
夕方、田んぼ組の大人達がドロだらけで帰って来た。
「腰が痛い~」「明日は筋肉痛だ!」
などど言いつつも、妙にハイテンション。
"美術系田植え"は楽しく成功したらしい。
田植え中、女性の参加者fukudaさんが「沈没」したとの事。
(Fukudaさんも元芸大のヒトで、不思議ちゃんの入ったかわいい個性派美術関係者さん。)
「沈没」とは田んぼにモロ転んで全身ドロまみれになる事を意味するらしい・・・。
夫に
「岡田ちゃんが田植えしてたら間違いなく沈没者2名発生だったよ・・・。」
と言われる。
次回田んぼメンテ(多分雑草抜き?)参加の折には、ぜひ水着で臨みたいと思う・・・。
なんだか母子共に、極楽な2日間だった。
ところで、これって、もしやロハス・・・なのでは・・・?
なんか「ロハス」とか「スローライフ」って無縁な響きで、ちょっと敬遠してたけど・・・
やってみるとたのしいじゃん!
呼び方はなんでもいいや、はっはっは!自然ってやっぱり最高最高!
ちなみにオザワさんの奥さんは「季節労働」と言っていました。
いいネーミングですね。
夜、帰りがけに
「ラムネ温泉・ばんやの湯」
http://www.awa.or.jp/home/hota-gk/yu/yu.html
に立寄り、汗を流す。
こちら、もともとは漁師のための日帰り湯らしく、それゆえ24時間入浴可能。
ここ、食事どころの魚料理が新鮮でムッチャ美味し&安いです!
サッパリした後、解散。
「又会おうな!」とガッツリ抱き合う男組たち。
かわいい。女組も手をつないでニコニコ。
みんないいこだなあ。
帰宅して翌朝。
2日ぶりにテレビをつけたら秋葉原の悲惨な事件を1日遅れで知りびっくりした・・・。
アキバの路上でドローイングのパフォーマンスをしていたアーティスト、遠藤一郎君と愛まどんなちゃんが心配になる。
(最近は路上パフォはやってなかったらしくて、無事だったとの事。)
山の中で楽しく過ごしていた休日から一転、
街の事件の暗さとのギャップに苦しくて、
なんだか足下がグラリとした気がした。
昨年から、稲作のお手伝いをしている。
夫・会田の芸大時代からのお友達・広告代理店Jiさん&環境デザイナーMさん夫婦が、鴨川から30分ほどの場所で田んぼを借りていて、そこで休日を利用して、昔ながらの農法でお米作りをしているのだ。
元・芸大の同世代の友人が時間を見つけて手伝っている。
私と息子も、会田の家族として参加。
参加者には、アーティストとしては、夫と同期の小沢剛夫妻もいたりする。
他にもデザイナーさんとか美術講師とか。
だから美術系稲作?
田んぼ作業の前日は、Mさんのおばさんが持っている古民家にみんなでお泊まり。
この古民家が、すてきなんですわ!!
先祖より受け継いだ、古い造り酒屋を再生しているのだけど、中でも見事なのは、完璧に再現された茅葺き屋根!
これ、有形文化財にも指定されている。
屋内は、黒光りする神棚や、時代を感じさせる床の間、懐かしい渡り廊下など、
今ではなかなか見られない伝統的な内装を残しながらリフォームしている。
離れにある蔵だったらしい大きな建物も、土壁を残しつつ奇麗に修理し直して、ちょっとした遊戯室ぐらいの規模がある。
ごくたまにコンサートなどをしているらしい、広々としたギャラリーのような空間だ。
(ほんとは写真をアップしたいのだけど、個人宅なのでちょっと遠慮しときます。)
こんな建物に子連れで集まり、児童たちは大にぎわい。
少年達(今回は3人)は「男組(おとこぐみ)」と名乗り、自分らの寝る和室の入口に「男組」と書かれたダンボールの看板をたてている。
「え~、男組の部屋を通る者は男、もしくは大学の教師もしくは非常勤講師(←なんでだ?)でなくてはならないのじゃ~」
と、我が息子・寅次郎が江戸時代の関所の役人のようにアナウンスし、部屋の守りを固めていた。
(大人達に「ちょっと~、とらくん、権威主義だ、反フェミニストだ」と非難を浴びつつ・・・)
その後も男組まとめて風呂に入り、裸の付き合いでマッチョなオトコの友情を確かめ合っていた。
女組(2名)はトトロの姉妹のように寄り添って絵本などを読み、可愛らしい。
大人はというと、特にホスト役のJiさんは、仕事柄か、いつも話題を披露して場を盛り上げてくれる。
私の個人的見解なんだけど、昭和40年生まれの人って個性派で話が面白い人多くない??
Jiさん、今回も
「じぶんらのいた当時の芸大生の卒業制作、どれだけバカを競うかに賭けていた・・・」
「Google社のへんてこディスカッション法・・・
社会性のない、しかし一芸に長けた人ばかりをディスカッション担当として雇い、なんでもいいから喋らせまくる」
などなど、次々に豊富な話の引き出しを披露して、楽しい夜を過ごさせてもらった。
せっかく集まったのに、あいにくの雨になってしまった。
でも、縁側に腰掛けながら眺める、茅葺き屋根からこぼれ落ちる雨粒は、いつまでも見飽きない美しさなり。
--------2日目-------
とうとう田んぼにレッツゴー、車で向かう。
雨だけど、がんばろうということになった。
こちらの貸し田んぼは、笹谷窯さんという陶芸の窯元さんがとりしきっている。
笹谷窯は、昨年お昼のドラマの舞台にもなったらしいのだが、なんとも風流な山の中の家と窯、アトリエとカフェ。
ここに窯元の陶芸家・杉山さんご夫婦と、子供たちが住まい、犬やチャボが生活を共にしている。
普段より、陶芸教室の生徒さんや、稲作の生活を住み込みで体験する若者など、色々な人が出入りしている。
<笹谷窯↓>
http://sasayagama.com/
山間の田んぼで手作業でお米を育てる体験もスバラシいのだが、今回改めて感心したのは笹谷さんの窯。
平安時代の穴窯・猿投窯(さなげよう)を3分の一に復元した古式穴窯「笹谷窯」。
薪で焼いてるのだ。山積みの薪。
陶芸シロウトの私でも、なんだかすごそうな窯なのがわかる。
雨で田植えは過酷そうなので、子供たちは陶芸体験をやることになった。
大人一名は付き添おうということになり、私が陶芸担当に。
息子は初めての陶芸である。
わたしも思えば高校生の図工以来だよ。
夫に「さんまをまるごとのせる長細い皿を作ってこい」と生活じみた指令を受け、いざ作陶へ。
寅次郎は、「大人のテーブルに座りたい」だの
「色を混ぜてはなぜいけないんだ」「焼くときの化学変化ってどういう変化なんだ」
と質問を笹谷窯先生に浴びせかけまくりヒヤっとしたが、
「迷路を皿の上に作りたい」
とシュールなアイデアが決まったらしく、一生懸命制作し始めた。
他の子供たちも黙々と形作りに励んでいる。みんなうまい~!
わたしも児童に戻った気持ちで
「せんせー、このあとどうすればいいんですかあー」
と指導を受けつつ、さんま皿を制作。
寅次郎、「迷路皿」制作中・・・。
息子は、「皿」というよりは半立体の現代的レリーフといった風情。
皿の上に「A・I・D・A」というかたちの迷路が刻まれていたり、突起物があったり。
現代アートですわ、こりゃ・・・。
岡田、「さんま皿」制作中・・・。
醤油を溜める溝を作ったら、先生に、
「ねえねえ、焼き魚に醤油の溝、必要?それは”さんま皿”にあらず。”さしみ皿”だ!」
と、的確なご指摘を受け、「刺身皿」となる・・・。
「ギョーザ皿」でもいいかもしれない・・・。
造形が終わり、色をのせ始めたら、楽しくて止まらない・・・。
ヘラヘラと笑いながら描いていたら、他の子供たちに「もう色のせはそのぐらいにしておいたら・・・」と、たしなめられる・・・。
「岡田皿」完成・・・。
カ、カオス・・・?
最初はコジャレたかんじを目指したが、結局は“岡田流”になってしまったような・・・。
息子と私の皿が、あの古式穴窯で焼かれると思うと、ゾクゾクするっす!
いままで陶芸に興味ないなんて(実は)思っててゴメンなさい。
とっても楽しかったです。またやりたいな。
制作終了後、
「息子が授業中ごちゃごちゃ言ってすみません」
と先生に詫びをいれたら
「いや~、彼、発想が面白いよ!斬新だよ!子供は、あれぐらいじゃないとイカンよ!」
と褒めて頂く。
とっても豪快な杉山センセ、いいキャラしてるのです。
夕方、田んぼ組の大人達がドロだらけで帰って来た。
「腰が痛い~」「明日は筋肉痛だ!」
などど言いつつも、妙にハイテンション。
"美術系田植え"は楽しく成功したらしい。
田植え中、女性の参加者fukudaさんが「沈没」したとの事。
(Fukudaさんも元芸大のヒトで、不思議ちゃんの入ったかわいい個性派美術関係者さん。)
「沈没」とは田んぼにモロ転んで全身ドロまみれになる事を意味するらしい・・・。
夫に
「岡田ちゃんが田植えしてたら間違いなく沈没者2名発生だったよ・・・。」
と言われる。
次回田んぼメンテ(多分雑草抜き?)参加の折には、ぜひ水着で臨みたいと思う・・・。
なんだか母子共に、極楽な2日間だった。
ところで、これって、もしやロハス・・・なのでは・・・?
なんか「ロハス」とか「スローライフ」って無縁な響きで、ちょっと敬遠してたけど・・・
やってみるとたのしいじゃん!
呼び方はなんでもいいや、はっはっは!自然ってやっぱり最高最高!
ちなみにオザワさんの奥さんは「季節労働」と言っていました。
いいネーミングですね。
夜、帰りがけに
「ラムネ温泉・ばんやの湯」
http://www.awa.or.jp/home/hota-gk/yu/yu.html
に立寄り、汗を流す。
こちら、もともとは漁師のための日帰り湯らしく、それゆえ24時間入浴可能。
ここ、食事どころの魚料理が新鮮でムッチャ美味し&安いです!
サッパリした後、解散。
「又会おうな!」とガッツリ抱き合う男組たち。
かわいい。女組も手をつないでニコニコ。
みんないいこだなあ。
帰宅して翌朝。
2日ぶりにテレビをつけたら秋葉原の悲惨な事件を1日遅れで知りびっくりした・・・。
アキバの路上でドローイングのパフォーマンスをしていたアーティスト、遠藤一郎君と愛まどんなちゃんが心配になる。
(最近は路上パフォはやってなかったらしくて、無事だったとの事。)
山の中で楽しく過ごしていた休日から一転、
街の事件の暗さとのギャップに苦しくて、
なんだか足下がグラリとした気がした。
この記事へのコメント
陶芸科の岡田さんにみてもらうと、うれしいやら恥ずかしいやらっす!
そっか、こんどFさんに会ったら聞いてみようっと。
繋がってますね~。
陶芸たのしかった。そのうちいっしょにやりたいね。